NIPTを受ける前に知っておきたい5つの注意点
NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)は、母体血を用いて胎児の染色体異常のリスクを調べる新しい出生前検査です。この検査は、従来の検査と比べて母体への負担が少ないことから、多くの妊婦さんが関心を持っています。しかし、NIPTを受ける前に知っておくべき注意点があります。この記事では、NIPTを受ける際の5つの注意点について詳しく解説します。
NIPTはスクリーニング検査である
NIPTは、あくまでもスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。この検査で陽性の結果が出ても、必ずしも胎児が染色体異常を持っているとは限りません。確定診断を行うには、羊水検査や絨毛検査などの侵襲的な検査が必要です。NIPTの結果だけで判断せず、医療機関の専門家と相談しながら、慎重に対応することが大切です。
NIPTで調べられる染色体異常は限定的
NIPTでは、主にダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)の3つの染色体異常を調べることができます。しかし、これら以外の染色体異常や遺伝子疾患については、NIPTでは調べることができません。すべての染色体異常や遺伝子疾患を調べるためには、他の検査方法が必要になります。
検査結果が陰性でも完全に安心はできない
NIPTの結果が陰性であっても、胎児が染色体異常や他の先天性疾患を持っている可能性を完全に否定することはできません。NIPTは高い精度を持っていますが、偽陰性(実際は異常があるのに陰性と判定されること)の可能性もゼロではありません。定期的な妊婦健診を受けて、胎児の健康状態を総合的に評価することが重要です。
検査結果が陽性の場合の対応を事前に考えておく
NIPTの結果が陽性だった場合、どのように対応するかについて、事前に考えておくことが大切です。確定診断のための侵襲的検査を受けるかどうか、検査結果によって出生後の育児にどのような影響があるかなど、さまざまな観点から検討が必要です。パートナーや家族、医療機関の専門家と十分に話し合い、自分たちに合った選択をすることが重要です。
検査前後の心理的サポートを受ける
NIPTを受けることは、妊婦さんやそのパートナーにとって心理的な負担になることがあります。特に、検査結果が陽性だった場合は、不安や戸惑いを感じることもあるでしょう。医療機関では、検査前後の遺伝カウンセリングを受けられる体制が整っています。専門家からの情報提供や心理的サポートを受けることで、不安を和らげ、前向きに対応することができます。
まとめ
NIPTは、母体への負担が少ない出生前検査として注目されていますが、検査の限界や注意点についても理解しておく必要があります。NIPTはスクリーニング検査であり、調べられる染色体異常は限定的です。検査結果が陰性でも完全に安心はできず、陽性の場合の対応を事前に考えておくことが大切です。また、検査前後の心理的サポートを受けることで、不安を和らげることができます。
NIPTを受けるかどうかは、妊婦さんとそのパートナーが十分に話し合って決める必要があります。医療機関の専門家から情報を得て、自分たちに合った選択をすることが重要です。NIPTを上手に活用し、安心して出産に臨めるよう、適切な知識を持つことが大切です。
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