NIPTの偽陽性・偽陰性が起こる確率は?認可・認可外での違いと陽性後の対処法

NIPTの偽陽性・偽陰性が起こる確率は?認可・認可外での違いと陽性後の対処法

NIPT(新型出生前診断)を受ける際、多くの妊婦さんが「もし偽陽性や偽陰性だったらどうしよう」と不安に感じるかもしれません。結論から言うと、NIPTは非常に精度の高い検査ですが、偽陽性が起こる確率は約0.15%、偽陰性が起こる確率は約0.01%と決してゼロではありません。本記事では、NIPTの偽陽性・偽陰性の確率や原因、陽性的中率の年齢による違い、認可施設と認可外施設での違いなどを詳しく解説します。

目次

NIPT(新型出生前診断)の偽陽性・偽陰性とは?

NIPTは、母体の血液に含まれる胎児由来のDNAの断片を分析し、染色体異常の可能性を調べる「非確定的検査」に分類されます。検査の精度は極めて高いものの、100%確実な診断を下せるわけではありません。まずは、検査結果における「偽陽性」と「偽陰性」の基本的な意味を正しく理解しておきましょう。

偽陽性とは「実際は陰性なのに陽性と判定されること」

NIPTにおける「偽陽性」とは、お腹の赤ちゃんに実際には染色体異常がないにもかかわらず、検査結果が「陽性(異常の可能性が高い)」と出てしまう現象を指します。
NIPTは母体の血液中のDNAを調べるという仕組み上、胎盤の細胞の状態などが影響して誤った反応を示すケースが存在します。そのため、NIPTで陽性という結果が出たとしても、即座に赤ちゃんに異常があると確定するわけではありません。あくまで「異常の可能性が高い」というサインに過ぎない点に注意が必要です。
確定的な診断を下すためには、羊水検査などの確定的検査を必ず受けることが推奨されています。このように、偽陽性の可能性があるからこそ、NIPTの結果だけで重大な決断を下さないよう医療現場では強く指導されています。

偽陰性とは「実際は陽性なのに陰性と判定されること」

「偽陰性」とは、お腹の赤ちゃんに実際には染色体異常があるにもかかわらず、検査結果が「陰性(異常の可能性が低い)」と出てしまう現象のことです。
万が一偽陰性となってしまうと、妊婦さんやご家族は「赤ちゃんに異常はない」と安心してしまうため、出生後に染色体疾患が判明して大きな精神的ショックを受けるリスクが伴います。そのため、出生前診断を提供する医療現場では、偽陽性よりも偽陰性を極力減らすことが重要視されています。
NIPTの陰性的中率(陰性と判定された場合に本当に陰性である確率)は99.99%以上と非常に高いため、偽陰性が発生することは極めて稀です。しかし、検査の性質上「100%確実」とは言い切れない限界があることを、受検前にしっかりと理解しておくことが大切と言えるでしょう。

NIPTで偽陽性・偽陰性が起こる確率はどれくらい?

NIPTは従来の母体血清マーカー検査やコンバインド検査に比べて、格段に精度が高いと言われています。では、具体的に偽陽性や偽陰性はどのくらいの確率で起こるのでしょうか。詳細な数値を見ていきましょう。

NIPT全体の偽陽性が起こる確率

日本国内で行われたNIPTコンソーシアムの調査データなどによると、NIPT全体の偽陽性率は約0.15%程度と報告されています。これは、検査を受けた妊婦さんのうち、1000人に1〜2人程度の割合で偽陽性が発生するという計算になります。
従来の出生前診断である母体血清マーカー検査などの偽陽性率が約5%程度であったことと比較すると、NIPTの偽陽性率は非常に低く抑えられています。これにより、不必要な羊水検査を受ける妊婦さんの数を大幅に減らすことに貢献しました。
ただし、確率が低いとはいえゼロではないため、陽性という結果を受け取った際は冷静に対処することが求められます。陽性が出た人のうち、どのくらいの割合で本当に疾患があるのかを示す「陽性的中率」についても、併せて確認することが重要です。

NIPT全体の偽陰性が起こる確率

一方で、NIPTにおける偽陰性が起こる確率は約0.01%未満と極めて稀です。国内の大規模な追跡調査でも、数万件の検査に対して偽陰性が確認されたのはごくわずかな件数に留まっています。
この数字は、陰性と判定された妊婦さんのほぼ100%近くが、実際に染色体異常のない赤ちゃんを出産していることを示しています。つまり、NIPTで「陰性」という結果が出た場合、その結果を信頼して安心して妊娠生活を送れる可能性が非常に高いと言えるでしょう。
しかし、1万人に1人以下の割合で偽陰性が起こり得るという事実は残ります。検査時期が早すぎたり、母体血中を流れる胎児のDNA量が少なかったりすることが主な要因として挙げられます。万が一の可能性として、検査の限界を知っておくことが欠かせません。

参考:新型出生前検査(NIPT) – 宮崎産婦人科

【比較表】ダウン症など疾患別の感度・特異度について

NIPTの精度を知る上で、「感度」と「特異度」という指標がよく使われます。感度とは「疾患がある胎児を正しく陽性と判定できる確率」、特異度とは「疾患がない胎児を正しく陰性と判定できる確率」を指します。対象となる染色体異常の種類によって、これらの精度はわずかに異なります。

対象となる染色体異常感度(正しく陽性になる確率)特異度(正しく陰性になる確率)
21トリソミー(ダウン症候群)約99.9%約99.9%
18トリソミー(エドワーズ症候群)約97.4%約99.9%
13トリソミー(パトウ症候群)約87.5%~99.0%約99.9%

このように、ダウン症候群に対する感度は約99.9%と非常に高く、見逃し(偽陰性)が少ないことがわかります。13トリソミーは他の疾患に比べるとやや感度が低くなる傾向がありますが、それでも従来の検査に比べれば極めて高い水準を誇っています。特異度はいずれの疾患でも99.9%以上となっており、間違って陽性(偽陽性)になるケースが少ないことが表れています。
参考:出生前検査の精度は?わかりやすく解説 – 株式会社PDnavi

NIPTの陽性的中率と年齢の関係性

NIPTで陽性という結果が出たとき、最も気になるのが「本当に赤ちゃんに染色体疾患がある確率」です。実は、この陽性的中率は妊婦さんの年齢によって大きく変動するという特徴を持っています。

陽性的中率とは「陽性と判定され、実際に疾患がある確率」

陽性的中率とは、「検査結果が陽性だった人のうち、本当に赤ちゃんが染色体疾患を持っていた人の割合」を示す指標です。感度や特異度とは異なる概念なので、混同しないように注意しましょう。
たとえば感度が99%だとしても、陽性的中率が99%になるわけではありません。NIPTでは、偽陽性が一定の割合で発生するためです。「陽性的中率が80%」だった場合、陽性と判定された100人のうち、本当に疾患があるのは80人であり、残りの20人は偽陽性(実際には疾患がない)ということになります。
この陽性的中率を正しく理解していないと、陽性という結果だけで「赤ちゃんに異常がある」と早合点してしまう危険性が高まります。陽性結果はあくまで可能性の提示であり、確定診断ではないという大前提を常に念頭に置いておくことが重要です。

妊婦さんの年齢が上がると陽性的中率も高くなる

NIPTの陽性的中率は、妊婦さんの年齢が上がるにつれて高くなるという明確な相関関係があります。なぜなら、ダウン症候群などの染色体異常は、母体の年齢が高くなるほど発生確率が上昇する自然な傾向があるからです。
具体的な数値で見ると、35歳の妊婦さんが21トリソミーの検査で陽性となった場合の陽性的中率は約80〜85%程度とされています。一方、40歳の妊婦さんが同じ検査で陽性となった場合の陽性的中率は、約95%以上にまで跳ね上がります。つまり、年齢が若い妊婦さんほど偽陽性である確率が高くなり、年齢が高い妊婦さんほど陽性結果が「真の陽性」である可能性が高まる仕組みになっています。
35歳未満でNIPTを受けた場合は、陽性と判定されても実際には疾患がない偽陽性の割合がさらに大きくなります。年齢別の陽性的中率の違いを理解しておくことは、検査結果を冷静に受け止めるための大切な鍵となります。
参考:NIPTで陽性と判定された後、確定的検査が必要な理由 – GeneTech株式会社

なぜNIPTで偽陽性や偽陰性が起こるのか?主な原因

NIPTの精度は完璧ではなく、偽陽性や偽陰性が生じるのには医学的な理由が存在します。母体の血液から胎児の情報を読み取るという仕組みゆえの限界や原因について、詳しく解説していきます。

胎盤限局性モザイク(CPM)の影響による偽陽性

偽陽性が起こる最も代表的な原因が「胎盤限局性モザイク(CPM)」と呼ばれる現象です。NIPTは、厳密には「胎児のDNA」を直接調べているのではなく、母体の血液中に溶け出した「胎盤(絨毛)由来のDNA」を分析しています。
通常、胎児と胎盤の染色体は全く同じ構成をしていますが、稀に胎盤の細胞にだけ染色体異常が存在し、胎児自身は正常な染色体を持っているケースがあります。この状態を胎盤限局性モザイクと呼びます。
NIPTはこの胎盤からのDNAを検出するため、胎盤の異常を感知して「陽性」という結果を出力してしまいます。しかし、お腹の赤ちゃん自体は正常であるため、結果的に「偽陽性」となってしまうのです。このメカニズムがある以上、NIPTだけで最終的な確定診断を下すことはできません。

バニシングツイン(双児の一方死亡)の影響

妊娠初期に双子(多胎妊娠)であったものの、早い段階で一方の胎児が子宮内で亡くなり、母体に吸収されて消えてしまう現象を「バニシングツイン」と呼びます。この現象も、偽陽性や偽陰性を引き起こす原因の一つとして知られています。
亡くなった胎児の細胞やDNAは、一定期間、母体の血液中に残り続けます。もし、亡くなった胎児の方に染色体異常があった場合、NIPTはその異常なDNAを拾い上げて「陽性」と判定してしまうことがあります。生き残っている胎児が正常であっても、陽性結果が出てしまうため偽陽性となります。
逆に、生き残った胎児に異常があり、亡くなった胎児が正常だった場合には、正常なDNAの割合が多くなることで異常を見逃し「偽陰性」となる可能性も指摘されています。多胎妊娠やバニシングツインの可能性がある場合は、検査前に医師へしっかりと伝えることが大切です。

検査時期が早すぎる・胎児DNA濃度が低い場合

NIPTは一般的に妊娠10週以降に受けることが推奨されていますが、検査時期が早すぎると「偽陰性」のリスクが高まることがわかっています。これは、母体の血液中に含まれる胎児(胎盤)由来のDNA量である「胎児DNA分画」が不足しているためです。
胎児DNA濃度が十分に高まっていない状態で検査を行うと、機械が染色体の微細な違いを正確に分析できず、実際には異常があるのに「陰性」と見落としてしまう危険性が高まります。また、母体の肥満なども血液中の水分量などの関係から、胎児DNA濃度を相対的に薄めてしまう要因となり得ます。
精度の高い検査結果を得るためには、適切な妊娠週数(10週目以降)をしっかりと守って採血を行うことが絶対条件です。焦って早すぎる時期に受検することは、検査の信頼性を損なうため避けるべき行動と言えるでしょう。
参考:【医師が解説】NIPTの精度が100%にならない理由 | 遺伝子検査・DNA鑑定のseeDNA

NIPTの検査結果で「陽性」が出たらどうする?

もしもNIPTの結果が「陽性」だった場合、頭が真っ白になってしまう妊婦さんも少なくありません。しかし、落ち着いて次のステップに進むための正しい対処法を知っておくことが大切です。

確定的検査(羊水検査・絨毛検査)を必ず受ける

NIPTは非確定的検査であるため、陽性という結果が出たとしても、それだけでお腹の赤ちゃんの状態を断定してはいけません。必ず、「羊水検査」または「絨毛検査」と呼ばれる確定的検査を受ける必要があります。
羊水検査は、妊婦さんのお腹に細い針を刺して羊水を採取し、羊水の中に含まれる胎児自身の細胞を直接培養して染色体を調べる検査です。羊水検査の診断精度はほぼ100%とされており、この検査結果をもって初めて染色体異常の有無が確定します。
NIPTで陽性となった妊婦さんのうち、実際には偽陽性で羊水検査の結果は「異常なし」となるケースも決して珍しくありません。焦って重大な決断を下す前に、まずは確定的検査で白黒をはっきりさせることが医療の基本方針となっています。

遺伝カウンセリングで専門医に相談する

陽性の結果を受けた後は、一人で抱え込まずに専門的な知識を持つ医師や認定遺伝カウンセラーによる「遺伝カウンセリング」を受けることが不可欠です。遺伝カウンセリングでは、検査結果の正確な意味や、これからどうすべきかについて詳しく説明してもらえます。
カウンセラーは、羊水検査に伴うリスク(流産のリスクなど)や、万が一染色体疾患が確定した場合の赤ちゃんの将来像、ご家族が利用できるサポート体制などについて、中立的な立場で情報を提供してくれます。妊婦さんとご家族が、十分な情報に基づき納得のいく決断ができるよう支援することが最大の目的です。
NIPTを受ける前から、もし陽性だった場合に備えて遺伝カウンセリングの体制が整っている医療機関を選ぶことが非常に重要です。結果が出た後の精神的なフォローアップは、妊婦さんにとって大きな支えとなります。

認可施設と認可外施設で検査精度や偽陽性の確率は違う?

NIPTを実施している医療機関には、日本医学会の認定を受けた「認可施設」と、そうでない「認可外施設(無認可施設)」が存在します。これら施設の違いによって、検査の精度や偽陽性の確率に差は出るのでしょうか。

検査自体の精度・確率は認可も認可外も変わらない

結論から言うと、認可施設で受けても認可外施設で受けても、NIPTの検査自体の精度や偽陽性・偽陰性が起こる確率に大きな違いはありません。なぜなら、どちらの施設で採血した血液も、最終的には国内外の専門的な検査機関(ラボ)に送られて同じ技術を用いて解析されるからです。
使用している検査機器や解析アルゴリズムによって若干の数値のブレはありますが、「認可外だから精度が低くて偽陽性が出やすい」といった事実はありません。検査機関が公表している感度や特異度といった高い水準は、施設の種類に関わらず担保されています。
ただし、認可外施設の中には、対象となる染色体異常をより広く調べる(全染色体検査や微小欠失検査など)プランを提供しているところがあります。調べる項目が増えるほど、全体としての偽陽性率が上がってしまう可能性がある点には注意が必要です。

陽性後のサポート体制(羊水検査・カウンセリング)の違い

認可施設と認可外施設で最も大きく異なるのは、検査精度ではなく「陽性となった後のサポート体制」です。この違いは、妊婦さんのその後の精神的負担に直結するため、非常に重要な比較ポイントとなります。
認可施設は、産婦人科医や小児科医、遺伝カウンセラーが常駐しており、検査前後の丁寧な遺伝カウンセリングが義務付けられています。万が一陽性だった場合の羊水検査への移行もスムーズで、手厚いフォローアップを受けることが可能です。
一方、認可外施設は美容クリニックや内科などが検査を代行しているケースが多く、専門医による十分なカウンセリングが行われない場合があります。陽性結果だけを郵送で伝えられ、羊水検査は自分で別の病院を探さなければならない「検査難民」になってしまうトラブルも起きています。施設選びは、検査後のフォロー体制を重視して慎重に行うことが求められます。

NIPTにおける判定保留(再検査)になる確率と原因

NIPTの検査結果は「陽性」「陰性」だけでなく、ごく稀に「判定保留(判定不能)」という結果が返ってくることがあります。これはどういう状態なのか、発生確率や対処法について詳しく見ていきましょう。

判定保留になる確率は約0.3〜0.4%

検査会社のデータや臨床報告によると、NIPTで「判定保留(判定不能)」となる確率は全体の約0.3〜0.4%程度とされています。1000人の妊婦さんが検査を受けた場合、3〜4人程度に起こり得る現象です。
判定保留とは、何らかの理由で検査の解析基準を満たすことができず、「陽性か陰性かを判定できなかった」状態を指します。決してお腹の赤ちゃんに異常があるという意味ではないので、結果を見た際に過度に心配する必要はありません。
判定保留となる主な原因としては、採血時期が早すぎて母体血中の胎児DNA濃度が足りなかったケースや、母体が服薬している薬剤の影響、母体自身の染色体や免疫疾患による影響などが考えられます。また、検体の輸送中のトラブル(温度管理の失敗など)が原因となることもあります。
参考:東京でNIPT(新型出生前診断)を受けるには?検査内容・メリット・費用を徹底解説

判定保留になった場合の対応方法

もし検査結果が判定保留となってしまった場合、最も一般的な対応は「数日〜1週間ほど間隔を空けてから、再度採血して再検査を行う」という方法です。妊娠週数が進むことで胎児DNA濃度が上昇し、再検査では無事に判定結果が出るケースが多く見られます。
再検査にかかる費用については、無料で対応してくれる医療機関がほとんどですが、念のため事前に確認しておくと安心です。万が一、再検査でも再び判定保留となってしまった場合は、NIPTによる判定を諦め、エコー検査(胎児ドック)や羊水検査などの別の手法に切り替えることになります。
判定保留という結果は予期せぬ事態であるため、不安を感じる妊婦さんも多いでしょう。そのような場合でも、担当医や遺伝カウンセラーとしっかりと相談し、今後の最適な方針を決めていくことが大切です。

まとめ

NIPTは染色体異常の可能性を高い精度で調べられる優れた検査ですが、偽陽性や偽陰性の確率がゼロではないという限界を理解しておくことが非常に重要です。特に、偽陽性の可能性がある以上、NIPTの陽性結果だけで確定診断とみなさず、必ず羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。
また、妊婦さんの年齢によって陽性的中率が変動することや、胎盤限局性モザイクといった原因が存在することも把握しておきましょう。認可施設・認可外施設のどちらを選ぶにしても、陽性後の手厚いサポート体制が整っているクリニックを選ぶことが、安心して出産を迎えるための第一歩となります。

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