「NIPTって受けるべきなのかな」「みんなはどうしているんだろう」と迷っていませんか。NIPT(新型出生前診断)は希望する人が受ける検査なので、受けるかどうかは自分たちで決めることになります。だからこそ、判断の材料がほしいですよね。
先に結論をお伝えすると、NIPTを受けるべきかどうかに、全員に当てはまる正解はありません。ただ、データを見ると次のことがわかります。
- 出生前検査(NIPTを含む)を受ける妊婦は、2023年に全体の約11.5%まで増えている
- 認証施設でNIPTを受けた人は、2024年度に6万3千人あまり。そのうち35歳以上が約53%、30〜34歳が約33%
- 迷ったときは「年齢」「わかること・わからないこと」「陽性だったときどうするか」の3つで考えると決めやすい
この記事では、公的な調査をもとに、NIPTを受ける人の割合や年代、受ける理由と受けない理由、迷ったときの考え方を順番に解説します。
NIPTを受ける人の割合はどれくらい?
まずは、実際にどのくらいの人が出生前検査やNIPTを受けているのかを見てみましょう。
出生前検査を受ける妊婦は約11.5%に増えている
国立成育医療研究センターなどの研究グループが、2003〜2023年の20年間の出生前遺伝学的検査の実施状況を調べたところ、検査を受けた妊婦の割合は、2011年ごろの約3%から、2023年には約11.5%に増えていました。
この数字には、NIPTのほか、羊水検査、母体血清マーカー検査(クアトロテスト)などもふくまれます。2013年にNIPTが始まってからは、お腹に針を刺す羊水検査や絨毛検査は大きく減り、採血だけで受けられる検査に移ってきていることもわかっています。
つまり、「10人に1人ほどが何らかの出生前検査を受けている」のが今の日本の状況です。裏を返せば、9割近くの方は受けていないということでもあり、受けないことも決して少数派ではありません。
参考:NIPT導入の前後10年間における各出生前遺伝学的検査を解析(国立成育医療研究センター)
認証施設でNIPTを受けた人は年間6万人以上
日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会の報告によると、認証施設でNIPTの遺伝カウンセリングを受けた人は2024年度に75,657人、そのうち実際にNIPTを受けた人は63,408人(83.8%)でした。2023年度は40,813人だったので、1年で1.5倍ほどに増えています。
遺伝カウンセリングを受けた人の8割あまりがNIPTを受けた、という数字も参考になります。言いかえると、説明を聞いたうえで「受けない」と決めた人も2割近くいるということです。話を聞いてから決める、という順番でも遅くはありません。
なお、これは認証施設だけの数字です。認証を受けていないクリニックで受ける人も多いため、NIPTを受けている人の実際の数は、これより多いと考えられます。
年代別では35歳以上が半分強、30〜34歳が3割
同じ報告で、2024年度に認証施設の検査を受けた人の年齢の内訳は、次のとおりでした。
| 年齢 | 検査数 | 割合 |
|---|---|---|
| 24歳以下 | 541件 | 0.8% |
| 25〜29歳 | 8,358件 | 13.1% |
| 30〜34歳 | 21,139件 | 33.0% |
| 35〜39歳 | 24,222件 | 37.8% |
| 40歳以上 | 9,789件 | 15.3% |
35歳以上が約53%と半分を超えていますが、30〜34歳も約33%、25〜29歳も約13%います。以前は認証施設でNIPTを受けられるのは原則35歳以上などの条件がありましたが、今は年齢に関係なく、十分な説明を受けたうえで希望すれば受けられるようになっています。そのため、20代・30代前半で受ける人も増えています。
参考:令和6年度(2024年度)実施状況報告(出生前検査認証制度等運営委員会)
NIPTを受けた人の理由・受けなかった人の理由
受けるかどうかの考え方は、人によってさまざまです。よく聞かれる理由を、受けた場合と受けなかった場合に分けて紹介します。
NIPTを受ける主な理由
- 年齢が高く、染色体の病気の可能性が気になる
- 結果を知っておくことで、生まれてからの準備(病院選びや心の準備)をしておきたい
- 不安なまま妊娠期間を過ごすより、調べて安心したい
- 採血だけで受けられ、流産のリスクがない
特に「安心したい」という理由で受ける方は多くいます。NIPTで陰性だった場合、調べた病気については、赤ちゃんがその病気である可能性はとても低いと考えられるからです。
NIPTを受けない主な理由
- どんな結果でも産むと決めているので、調べる必要を感じない
- 結果によって悩むことになるのがつらい
- 費用が高い(健康保険が使えず、10万〜20万円ほどかかることが多い)
- 年齢が若く、可能性は低いと考えた
どちらの理由にも、正しい・間違いはありません。大切なのは、「なんとなく」ではなく、自分たちが納得できる理由で決めることです。費用の目安は、次の記事でくわしくまとめています。
NIPTの費用相場はいくら?認証施設と認証外の違い・保険や医療費控除NIPTを受けるか迷ったときに考えたい3つのこと
迷ったときは、次の3つを順番に考えてみると、自分たちの答えが見えやすくなります。
年齢によって、陽性の結果の「当たりやすさ」が変わる
NIPTは精度の高い検査ですが、確定診断ではありません。陽性と出た人のうち、実際に赤ちゃんがその病気である割合(陽性的中率)は、お母さんの年齢によって大きく変わります。出生前検査認証制度等運営委員会が示している推定値は、次のとおりです。
| 年齢 | 21トリソミー(ダウン症候群) | 18トリソミー | 13トリソミー |
|---|---|---|---|
| 25歳 | 79.32% | 48.14% | 16.70% |
| 30歳 | 85.28% | 58.40% | 23.26% |
| 35歳 | 93.58% | 77.92% | 43.23% |
| 40歳 | 98.20% | 92.88% | 73.76% |
若い方ほど、もともとの病気の可能性が低いため、陽性と出ても「実際には病気ではなかった(偽陽性)」ということが起こりやすくなります。一方で、陰性だった場合の信頼性は年齢にかかわらず高く、調べた病気の見逃しはごくまれです。
わかるのは一部の病気だけ
認証施設のNIPTで調べるのは、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つです。生まれてくる赤ちゃんの3〜5%は何らかの先天性の病気をもっているとされますが、そのうち染色体が原因のものは4分の1ほどで、NIPTでわかるのはさらにその一部です。
「NIPTで陰性なら、赤ちゃんは何の病気もない」というわけではない点は、受ける前に知っておきたいところです。認証外のクリニックでは、性別や全染色体、微小欠失なども調べられますが、3つのトリソミー以外は精度が十分に確かめられていないものもあります。
参考:出生前診断を検討しているご夫婦へ(あいち小児保健医療総合センター)
陽性だったときにどうするかを話し合っておく
NIPTで陽性だった場合は、羊水検査などの確定検査を受けて、本当に病気があるかを確かめる必要があります。羊水検査は妊娠15〜16週ごろから受けられ、結果が出るまでに2〜3週間ほどかかります。
確定検査の結果が出たあと、どうするかを夫婦で考える時間は、思っているより短いものです。検査を受ける前に、「陽性だったら確定検査を受けるか」「結果をどう受け止めるか」を話し合っておくと、いざというときに慌てずに済みます。陽性だった場合の流れは、次の記事でまとめています。
NIPTで陽性だった場合どうする?確定診断(羊水検査)の費用やその後の流れ受けると決めたら:時期と施設の選び方
NIPTを受けると決めたら、次は「いつ」「どこで」受けるかです。NIPTを受けられる施設は、大きく2つに分かれます。
| 認証施設(大学病院など) | 認証外のクリニック | |
|---|---|---|
| 受けられる時期 | 妊娠10週ごろから | 妊娠6週や9週から受けられるところもある |
| 調べる項目 | 13・18・21トリソミーの3つ | 性別・全染色体・微小欠失なども選べる |
| 費用の目安 | 約10万〜20万円 | 6万円台〜30万円ほど |
| 遺伝カウンセリング | 検査の前後に必須 | 施設によって違う |
| 予約の取りやすさ | 紹介状や夫婦での来院が必要なことがある | 一人で受けられ、土日も検査できるところが多い |
認証施設は、同じ病院で確定検査まで受けられる安心感があります。一方、認証外のクリニックは、受けられる時期が早い、予約が取りやすい、性別もわかるといった点で選ばれています。陽性のときの確定検査の費用を負担してくれるクリニックもあるので、費用だけでなく、もしものときの支えまで含めて比べるのがおすすめです。
主なクリニックの違いは、次の比較記事でまとめています。
NIPTクリニック比較|平石とラジュボーの費用・週数・保証の違い性別判定つきのプランが132,000円(税込)からで、分割払い(10回まで金利・手数料0円)にも対応しているのが、青山ラジュボークリニックです。陽性のときの羊水検査の費用も負担してくれます。
妊娠6週から受けられ、認定遺伝カウンセラーに検査の前後に無料で電話相談できるのが、NIPT平石こどもクリニックです。「受けるか迷っている」段階で相談できるのは心強いポイントです。
NIPTを受けるか迷う人のよくある質問
20代でもNIPTを受ける人はいますか?
います。2024年度に認証施設で検査を受けた人のうち、29歳以下は約14%でした。ダウン症候群などの染色体の病気は、年齢が若くても起こることがあります。ただし、20代では陽性的中率が下がるため、陽性だった場合は必ず確定検査で確かめることを前提に考えましょう。
夫が反対しているときはどうすればいいですか?
反対の理由が「費用」なのか「結果を知るのがこわい」なのか「どんな子でも受け入れたい」なのかによって、話し合い方は変わります。まずは理由をていねいに聞いてみることから始めましょう。話し合い方のコツは、次の記事で紹介しています。
出生前診断(NIPT)を旦那・夫に反対されたら?夫婦で納得できる結論を出す話し合い方迷ったまま時期が過ぎそうなときは?
認証施設のNIPTは妊娠10週から受けられ、16週ごろまでに検査することをすすめている施設もあります。迷っている間に時期が過ぎないよう、まずは遺伝カウンセリングや無料相談で話を聞いてみるのがおすすめです。話を聞いたうえで「受けない」と決めても問題ありません。
まとめ:NIPTは「受ける・受けない」どちらも大切な選択
出生前検査を受ける妊婦は約11.5%まで増え、認証施設でNIPTを受ける人は年間6万人を超えました。受けている人の半分強は35歳以上ですが、30代前半や20代で受ける人も少なくありません。
NIPTを受けるべきかどうかに、決まった正解はありません。年齢による陽性的中率の違い、わかること・わからないこと、陽性だったときにどうするかを夫婦で話し合い、納得できる答えを選びましょう。
受けると決めた方は、受けられる時期と費用、もしものときの保証まで比べて、早めに施設を探しておくと安心です。

コメント